事業を始めようと思ったきっかけは、学生の頃からオーケストラをやっていて、自分が関わっている楽器のメンテナンスをお願いしたり、20歳を過ぎて初めて自分の楽器を買ったりするなかで、お付き合いしていた楽器屋さんからコントラバスのケースを作っている方が諸事情で事業を続けられなくなってしまったという話を伺ったことからでした。
高校卒業後、ハンドバッグメーカーに就職して自身でミシンを縫う仕事もしていた経験があることも踏まえて「僕がやらなければいけないのではないか」という気持ちが沸々と湧き上がってきたのです。
もともと、趣味と実益を活かせる仕事ができないものかと考えていたこともあり、独立を決意しました。楽器屋さんにコントラバスケースを作っていた方を紹介してもらってお会いしました。事業を継承したいことを伝えると「奇特だね」と言われたことが今でも印象に残っています。
私が独立することを了承してくださり、ケースの型紙や材料を譲っていただきました。それをもとに千葉の縫製工場でサンプルを作っていただきました。何度か試行錯誤を重ねて楽器屋さんに試作品を見てもらったところ「これならいいんじゃない」とGOサインをいただきまして、創業の運びとなりました。
